歴史
ドナルドダックは何故か第二次大戦中のプロパガンダ作品への出演が多い。
ドナルドのタイトル顔もギャリソンキャップを被ったものに変わってます。
ディズニーもかつてはそういったプロパガンダ作品を多く作っていました。
例えば『航空戦力での勝利（Victory Through Air Power)』ですとかナチに支配された世界を描いた「死の教育（Education for Death）」、七人の小人達が戦時国債を購入する「Seven Wise Dwarfs」などがそれにあたります。
哀しいことにドナルドもそんな戦時中はプロパガンダ活動に利用されておりました。
そんなドナルドの過去の苦労話から3本チョイスして紹介したいと思います。
納税から戦場にいたるまでの間に訓練編もあるわけですが、ここでは割愛します。
Der Furher’s Face
先ずは日独伊三国同盟が勝利した世界に生きるドナルドを描いた「Der Furher’s Face」。
いわゆるデストピアものになっています。
ドナルドシリーズ43作目として公開された約8分の作品で、1943年1月1日に公開されました。
『Der Fuehrer’s Face』 訳『総統の顔』
ドナルドの住む家は簡素な掘っ立て小屋。壁にはハーケンクロイツやヒトラー、ムッソリーニの肖像が飾られ、食事といえばコッソリ金庫に隠しておいたコーヒーと木材のような硬さのパン。昼間はナチスに召集され弾薬工場で働かされる。
コンベアで流れてくる弾薬の弾頭を閉め、一緒に流れてくるヒトラーの写真に「ハイルヒットラァ！」とまるで音ゲーのようにリズムよく唱えるドナルド。
そしてとうとう発狂！ダンボよろしくサイケな幻想に悩まされる。ドナルドが目を覚ますとそこはアメリカ、壁には「HOME SWEET HOME」の文字、星条旗のパジャマを着、自由の女神にキスをしてお終いという夢オチとなっております。
左の絵は、左から「昭和天皇」「ヒットラー」「ムッソリーニ」。
いわゆる悪の枢軸の独裁者だと当時の人々は信じていました。
日本人としては昭和天皇の扱いに眉をひそめるような部分がありますし、これを観た感想としては『いくら敵国でもやり過ぎ』と感じる人もいます。
しかし、この『やり過ぎ』と感じる部分こそが、プロパガンダで最も重要な部分で、それを違和感なく受け入れられていけばプロパガンダが成功しているとも言えるわけです。
実際、この作品は1943年のアカデミー短編アニメ賞受賞作品でもあります。
そんな真っ黄色で描かなくったってええやん・・。
世界の歴史上類をみない、自らの命と引き換えに自国民を救おうとした昭和天皇。
マッカーサーに会った昭和天皇は、こう語ったと伝えられている。「私は、日本の戦争遂行に伴ういかなることにも、また事件にも全責任をとります。また私は日本の名においてなされたすべての軍事指揮官、軍人および政治家の行為に対しても直接に責任を負います。自分自身の運命について貴下の判断が如何様のものであろうとも、それは自分には問題ではない。構わずに総ての事を進めていただきたい。私は全責任を負います」
この言葉に、マッカーサーは驚いた。
彼は、昭和天皇が命乞いにくるのだろうと考えていたからだ。
自らの命と引き換えに、自国民を救おうとした国王が、世界の歴史上あっただろうか。
マッカーサーはこの時の感動を、『回想記』にこう記している。「私は大きい感動にゆすぶられた。死をともなうほどの責任、それも私の知り尽くしている諸事実に照らして、明らかに、天皇に帰すべきではない責任までも引受けようとされた。この勇気に満ちた態度に、私の骨の髄までもゆり動かされた。私はその瞬間、私の眼前にいる天皇が、個人の資格においても日本における最高の紳士である、と思った」
今の天皇陛下も言ってくれそう。天皇陛下バンザイ。
The New Spirit
お次は「The New Spirit」。
ドナルドの愛国的納税のススメとでも申しましょうか。
国営放送のラジオを聞くドナルド、彼は国と自由のために何かしたいと考えていた。ラジオはその方法として「敵を倒す戦艦のために、銃の為に、税金が必要なんだ！」
「民主主義の為に！悪の枢軸を倒すために！」と語る。おっしゃあ！俺もお国の為に納税するぜ！とやる気マンマンのドナルド。
でも、どうやって納税すんの？と方法をラジオから教わる。手順に従って書き終えた書類をポストに入れる･･･と思ったらカリフォルニアからワシントンＤＣの国税局までアメリカ大陸を一瞬にして横断する。
ここでドナルドのターンは終了。
こうして収められた税金によって敵を倒すための弾薬や航空戦力が整えられていくのであった！
▼外部リンク 出典元
【ドナルド主演】反ナチスディズニーアニメがあったの知ってる？